前世療法(前世イメージ療法)とは?
「前世療法(前世イメージ療法)」は、退行催眠の一つです。
セラピストは、催眠誘導により変性意識状態に導いたクライエント(相談者)に対し、現代の時間軸よりもさらに過去に時間を退行するように導きます。そこで想起された前世(イメージ)での出来事を再体験することで、
・今まで自覚できていなかったトラウマを発見して浄化したり、
・人生というものを俯瞰(高い位置から見渡すこと)して人の「命」や「生」への意味を深めたり、
・あるいは、自分への理解が深まり、不完全な自分をあるがままに受け入れられるようになったりもします。
想起されるイメージは全てが事実とは断言できませんので、当セラピールームでは「前世イメージ療法」とも称しています。
具体的に何をするのですか?
変性意識状態へ導いていく過程は「ヒプノセラピーについて」でご紹介している通りです。
セラピストの誘導によってさらに深く自分の潜在意識とつながった状態へと導き、時間を更に過去へすすめて前世での自己イメージを想起していただきます。イメージが現れたら、その人生(前世)で起きた重要な出来事のいくつかを再体験していきます。その際に、セラピストはクライエントの言葉や表情、身体全体に表れるメッセージを読み取って、その方の気づきを深める作業を行っていきます。
最後にその人生の終わりを確認し、その人生を通じて得られた洞察や高次の自己(自分の中にある崇高で純粋な自己)からのメッセージを受け取って、催眠状態から覚醒します。
「セラピーの流れ」もご参考になさってください。
前世は存在するのでしょうか?
前世療法は、米国のブライアン・ワイス博士による著書「前世療法」がきっかけで世界中の多くの人が知ることになりました。また、イアン・スティーブンソン博士による「前世を記憶する子どもたち」の調査研究も有名であり、現在も世界中で様々な研究が進行中です。
しかしながら、セラピーで想起される「前世の記憶が本物である」と断言できる証拠は、現時点では不十分です。当セラピールームにおいては、前世の存在を肯定も否定もしていません。(「前世は存在する、存在しない」の真偽は、現時点ではだれにも証明できません。)
ただ、ワイス博士の報告例をはじめ、実際にこのセラピーによって心の状態が改善につながったケースが多く存在していることは事実です。
私個人の印象では、セラピーの中で、現代とはかけ離れた人物の記憶を生々しい情感をともないながら体験されている方(前世を再体験しているように感じられる方)と、現実の人間関係を「前世」というイメージの舞台へ置き換え、その場を借りることによって、抑え込んでいた自分の感情を表現することができる方、2通りあるように思います。
いずれのタイプも想起された前世が本当かどうかは別にして、自分が体験したイメージによって、自己洞察がすすみ、自分がよりよく生きるための気づきを得る方が多くいらっしゃると感じます。当セラピールームでは「前世ある、なし」の論議に時間を割くよりも、この療法を希望される方に対して、できるかぎり誠実で丁寧な情報提供を心がけたいと思っています。
是非「ヒプノセラピーの注意点」のページにも目を通してください。
バランスのとれたセラピーを行います
2008年、ニューヨークでブライアン・ワイス博士のプロフェッショナルトレーニングに参加する機会を得ました。
2008年10月のプロフェッショナルトレーニングのレポートはこちら
この経験を通じて私が感じたことは、前世療法の実施には、高い倫理観とプロフェッショナルとしての日々の研鑽が不可欠だということです。
ワイス博士は精神科医のお医者様で、もともとは科学的な証明がすべてのアカデミックな世界でキャリアを積んでこられた方でした。私は、ワイス博士にそのバックグラウンドがあったからこそ、これまで客観性を失うことがなく、現在に至ってもバランスのとれた活動をなさっているのだと感じます。
私は、自分の活動において、自己のスピリチュアリズムを一方的にクライエント様へ押し付けることがあってはならないと感じています。前世療法のファンタジックな側面のみをフォーカスしてしまうことは、ややもすればセラピーをオカルト的なものにしてしまう危険性もあり、クライエント様の不利益へつながることもあります。スピリチュアルな視点と科学的な視点、両方をバランスよく統合したセラピーを目指したいと思います。
Heart Retreatでの前世療法の実施にあたっては、このセラピーが多くの方の心の健康をサポートできるよう、広い視野を持って学び続ける謙虚な気持ちと客観性をもち、特に慎重なケアを心がけることをお約束いたします。